1.       PF-Coreとは?

PF-Coreとは、先端計測機器システムをコンポーネント指向開発するためのソフトウェアプラットフォームです。先端計測機器システムを「機能要素」に分解し、各機能要素毎にモジュール化を行うとともに、これらのモジュールを組み合わせることで、全体システムの構築を可能とします。

先端計測機器を構成する「機能要素」とは、あるまとまった機能を提供するシステム構成要素です。各種レンズや試料ホルダ,カメラなどのデバイス単位の要素や、オートフォーカス、トモグラフィなどのソフトウェア要素、さらにはこれらを組み合わせて構成されるサブシステムも「機能要素」として捉えることができます。

そして、これらの「機能要素」を組み合わせることで、先端計測機器システムの構築を容易にするためのプラットフォームがPF-Coreです。

1 PF-Coreの概要

2.       PF-CoreRTミドルウェア

PF-Coreは、独立行政法人産業技術総合研究所が中心となって開発を行っている、ロボット向けミドルウェア(RTミドルウェア)OpenRTM-aistをベースとしています。PF-Coreでは、「機能要素」をソフトウェアモジュール化したものをRTコンポーネント(RT-Component:RTC)と呼びます。

RTコンポーネントには、他のRTコンポーネントとデータをやり取りしたり、通信を実行するための「ポート」と呼ばれるインターフェースが用意されています。また、動的に設定値を変更するための仕組み(ConfigurationSet)や、動作の実行手順を表すステートマシンなども定義されています。このため、コンポーネントの開発者は、実現したい機能のコアロジックの実装に集中することができ、開発の労力を低減することが可能です。(RTミドルウェアで事前に用意されている機能については、付属のツールを使用することで、コードの自動生成を行います。)

2 RT-コンポーネント

3.       PF-Coreのメリット

PF-Coreを利用すると「機能要素」単位での開発が可能となります。また、全体システムの機能は、要素間の接続関係によって定義されます。このため、一部機能のみのバージョンアップを行いたい場合の開発の手間を低減できるとともに、世代間でのインターフェースの整合性を確保でき、動作確認用テストの手間も減らすことができます。

3 PFCoreを用いたシステム構成

また、複数機種への展開も、使用するRTコンポーネントの抜き差し、接続関係の修正によって対応することが可能です。更に、システム全体の構成を階層化し、各階層毎に開発を行ったり、既存の資産を再利用することも事も可能になります。

4 システムの階層化