5.      4面:設計工程情報の記述・整理

 この面では工程情報の記述・分析としてシステム・製品の設計工程情報の記述・整理を行う。目的はシステムの設計を検討する際に必要となる設計の順序を適切に整理、再構築することである。それをデータ、設計フローの観点から設計、開発の流れをスムーズにするように整理することで実現する。

 ここで求められる機能としては、並列のサブシステムのモデリング、反復やフィードバックといった相互依存関係を考慮しながら適切な設計順序を構成するソフトウェアである。そのため、第3面では、タスクをリストアップし、タスク間相互関係を記述する、システムモデリングツールのDSM(Design Structure Matrix)を用いる(2)DSMはプロジェクトで実行する設計タスクを全て列挙したリストをマトリックスの行と列の見出しとし、マトリックス中にタスク間の相互依存関係が存在するかどうかマークする。存在する場合には連続、並列、結合のどの関係かを表す。その後、フィードバックなどの設計負荷が最小となるように行列を再編する。

 DSMにはいくつかの種類があり、今回の目的で用いることができるものとしては、プロセス最適化を目的としているタスクDSMあるいはパラメータDSMである。しかし、@パラメータDSMを用いた場合、システム全体のパラメータ量が膨大であるため計算に時間がかかるという問題、AタスクDSMを用いた場合、タスクの決定の自動化が必要、といった課題がある。

 この課題に対し、SDSI-CubicではSysMLで定義されたシステムの情報を元に、システムをいくつかのサブシステムに分割し、自動的に設計タスクを導出する、Krishnaという手法(8)を用いる。

 この手法により、設計タスクを導出し、そのタスクを行列とすることでタスクDSMを実行し、パーティショニングを行うことでワークフローの作成を行う。