研究室便り

No.3 平田研究室    (2007年)


平田研究室(生産プロセス講座加工物理学領域)では,レーザやプラズマ,アーク放電を用いた材料加工プロセスと,それらを用いた材料の構造化に関する研究を行っています.エネルギーと材料の相互作用についてのシミュレーションを通し,マルチスケールでの加工エネルギーの開発,加工プロセスの計測・制御,さらには,これらの知見を駆使して材料を構造化し,新たな機能発現を目指す教育と研究を行っています.
以下に,本年度の研究室メンバー,研究テーマ,最近の研究室トピックをご紹介致します.


研究室風景【本年度のメンバー】

  • 教授:平田好則
  • 准教授:大村悦二
  • 助教:西山宏昭
  • 特任助教:野村和史
  • D11
  • M25
  • M14
  • B45



【最近の研究テーマ】
最近の主要な研究テーマを以下に示します.

  • アークプラズマの3次元モデル解析
  • 溶滴移行現象のモデル解析
  • カーボンナノチューブ電極を用いたマイクロ熱加工
  • ナノ秒透過光レーザによるシリコンウェハの内部加工現象の解析
  • 硬脆材料のレーザスクライブ機構に関する研究
  • フェムト秒レーザリソグラフィーによる能動型集積光学素子の形成
  • 微細電極による局在プラズマ生成

平田研の研究テーマは,「アーク溶接現象」,「レーザ加工現象の解析」,「微細素子形成」の3つに大別され,実験・解析の両面からプラズマとレーザプロセスの可能性を探求しています.高エネルギー源であるアークとレーザ光の特性を詳細に調べるとともに,それらを用いた加工現象の観察やモデリング,また,これらエネルギー源の微細素子による制御に取り組んでいます.

学会発表も活発に行っており,国内では主に,溶接学会,精密工学会,応用物理学会などで成果を報告しています.最近では,学生の国際会議発表を奨励しており,2006年には,レーザ精密微細加工に関する国際会議において,M2学生がOutstanding student paper award (oral)を受賞するなどその成果も出てきております.また,最近の平田研の卒業生は,主に電機メーカや機械メーカ,自動車メーカなどに就職し,活躍しています.


実験室風景【最近のトピック】

  1. 2006年度から,大阪大学リサーチイニシアティブ「ノベル・ジョイニング研究拠点」(拠点リーダ:平田教授)が発足し,大学と企業が強く連携して溶接プロセスの高度化に取り組んでいます.また,2007年度からは,本研究室OBの野村特任助教を迎え,研究をさらに加速しています.
  2. 平田教授が,溶接学会業績賞を受賞しました.
  3. 大村准教授が,日本機械学会優秀講演論文賞など2つの賞を受賞しました.
  4. 西山助教が,応用物理学会講演奨励賞など5つの賞を受賞しました.
  5. D1学生(溝尻さん)が,日本学術振興会特別研究員(DC2)に採用決定.
  6. 平田研の研究成果が,日経産業新聞(第1面)や溶接ニュースに掲載されました.