Research


界面制御接合

 エレクトロニクス製品中の半導体実装部,そして自動車や輸送機器等の製造では,多様な接合手法を駆使したマルチマテリアル化(異種材料接合)が進められています. 高性能・高信頼なマルチマテリアル化技術の確立には,その接合原理や破壊機構を明らかにしたうえで,微細組織と継手特性の関係性を見出すことが重要です. 当研究室では界面ナノ構造制御に基づく従来の接合設計にとどまらず,非界面部を含む材料体積全体を対象とした階層的傾斜機能・構造化に着目し,破壊経路および力学応答を能動的に設計する接合原理の構築を目指しています. "マルチスケール評価技術"を駆使したナノ~ミクロレベルの組織解析に基づく材料学的アプローチを通じて,接合・破壊現象の本質を解明するとともに,高信頼かつ再構成可能な接合体創製に向けた新たな接合プロセスの開発に取り組みます. 

  1. 異種金属接合継手の微細構造-特性相関解明に向けた研究事例
    異種金属間には金属間化合物層が形成され,その界面組織と特性の関係が世界的に研究されています.Fe/Al, Al/Cu, Cu/Sn, Al/Mg,金属/樹脂等の継手を対象に,独自の力学試験や電子顕微鏡観察法,放射光を用いた解析技術を用いて異材継手特性を明らかにしています.
  2. 関連論文:Materials Science and Engineering A, 735, pp.361-366 (2018), Materials Science and Engineering A, 786, 139437 (2020), Materials Science and Engineering A, 772, 138743 (2020), Materials & Design, 212, 110221 (2021), Materials & Design, 213, 110344 (2022), Materials & Design, 235, 112420 (2023).

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  3. 欠陥構造を逆活用することで得られる相反する機能を持つ新たな接合体の創製
    これまでの研究では、接合部分をナノサイズで細かく制御し、とにかく壊れにくくすることが目標でした。しかし環境やリサイクルを考えると、「強いけれど、必要に応じて分けて再利用できる」ことも求められています。“強靭さ”と“再利用性”という新しい機能の両立をめざし着目したのは、ナノのような小さな世界に加えて、もっと大きなスケールでの構造のデザインです。壊れる道筋をあらかじめ設計することで、全体が脆く壊れるのを防ぎつつ、再利用につなげられます。我々はこれを「階層的破壊誘導」と呼び、強靭さとリサイクル性という一見相反する機能の両立を目指しています。
  4. 関連論文:特願2026-00577,Materials & Design, 115742 (2026). https://miraibook.jp/researcher/k25568

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    【金属材料と炭素繊維強化樹脂からなる接合体(継手)の断面写真と強度特性の違い。樹脂側に多孔質の欠陥構造を入れることで、強度・伸びともに著しく上昇する。】

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    【同構造設計をエレクトロニクス実装部に応用し,同様の高強度化を実現】


  5. 高周波線形摩擦接合プロセスの確立
    TWIにより開発された線形摩擦接合は,これまで高強度・低熱伝導材料への適用に留まってきました.我々は線形摩擦接合の高周波化によって,従来困難であったアルミニウム同士の高継手効率接合に成功するとともに,アルミニウム/鋼およびアルミニウム/銅異種材料接合に初めて応用しました.
  6. 関連論文:Journal of Materials Processing Technology, 269, 45 (2019), Journal of Materials Processing Technology, 255, 547 (2018), Materials & Design, 139, 457(2018).

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  7. 内部エネルギーを利用した瞬間自己発熱接合の開発
    自己伝播燃焼合成反応という反応があります.これは二つの材料間の反応で生じる反応エネルギーが反応の誘起に必要なエネルギーを上回る場合に継続的に生じる反応です.我々は複数の反応系を構築することで,より反応が容易かつ接合層の複合化が可能な,新たな概念に基づく接合プロセスを開発しました.
  8. 関連論文:Key Scientific Article (Citation in Advances in Engineering), Materials & Design 121, 136(2017), Materials & Design 113, 109 (2017).

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